feature. ブランドインタビュー Shim.Craft and T-design
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「こうすれば売れる」よりも
「ここにあれがあれば便利なのに」が
発想の原点
なにより
「自分たちで作りたい!」気持ちが先にある
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自身がDIYで作っていたキャンプギアがInstagramを中心に人気を集め、オリジナルブランドとして立ち上がった〈Shim.Craft〉。今注目の人気のガレージブランドの代表を務めるのは、“しもぞー”さん(左)。お互い得意な素材や加工技術を持ち合い、新たに始めたギアブランド〈fusion+〉で、2021 年より共に制作活動をしている〈T-DESIGN〉の “ツヨシ”さん (右)とともに、今回お話をお伺いしました!
|キャンプにはまったきっかけはなんでしょうか?
キャンプを始めたのは2018年のころ。ずっとキャンプに興味があったのですが、なかなか出来ずじまいでした。下の子が大きくなり、年の離れた兄弟が一緒に遊べるのにいいのでは、と始めたのがきっかけです。(しもぞー)
|意外に最近なんですね。そこからアウトドアブランドの〈Shim.Craft〉をはじめるに至った経緯を教えてください。
Instagramを眺めると、個性的なキャンプスタイルがたくさんあることを知りました。しかし、全部を買い揃えると途方もない金額がかかりますよね。なので道具を自分で考え、自分で作って揃えていこうと思いました。最初は自分が使う物を趣味の範囲で作っていただけなので、販売するつもりはなかったんです。ですが、販売してほしいという方々がちらほら出てきました。また、お店からも取り扱いのお話があったので、2019年にブランドとしてきちんとやっていこうと始めました。 (しもぞー)
|キャンプをはじめてから1年で自身のブランドを持つまで駆け足で進んでいきましたね。
そうですね。自分でも変化についていけない時もあります。自分で考えた道具に関しては「こうすれば売れるんじゃないか」というものはないですね。キャンプに行って「ここにあれがあればめっちゃ便利なのにな......」という発想の元で、新たなアイデアを生み出しています。また、「自分で作りたい!」って気持ちが先にあるのかもしれません。何か作りたいと思ったらカタチにしないと気が済まない性格なんでしょうね。(しもぞー)
|作品を発表しはじめて、SNSの反響を身を持って感じたことはありますか?
オリジナル設計で最初に考えたジャグススタンドをSNSに投稿した時は反響がすごくありました。折りたたんだ状態から展開した時の驚きだったり、今までテーブルや何かの台の上に置く方が多い中で、専用のスタンドというのも物珍しかったのかもしれません。ある時、街を歩いていてビルの上の貯水タンクを見た時に「タンクがあって足がある......これが俺の欲しいものや!」ってなったんです(笑)。 (しもぞー)
なかなかの変態ですよね(笑)。(ツヨシ)
|2021年より〈T-DESIGN〉のツヨシさんと共に〈fusion+〉をはじめたそうですがどのようなきっかけがあったのですか?
3年ほど前からInstagramで交流をしていました。情報交換をしたり彼に金属パーツを作ってもらったりしていたので2人で何かしたいなと思っていました。ですが〈Shim.Craft〉としてモノを作るより2人で新しいブランドを始めた方が面白いなと思ったのがきっかけです。また、お互い得意な素材や加工技術が違うので、融合(fusion)させて1つのモノを作るというのが〈fusion+〉の目的です。 (しもぞー)
「フュージョン」って言葉は、日本人なら「ドラゴンボール」の印象が強いのではないでしょうか。二人で一つになってさらに強くなるイメージをみなさんお持ちだと思うんですよ。互いの持ち味をフュージョンさせてよい物ができるといいですね。この「Fusion+ Edge Rod」は、ベルトがついたストレージやポーチ、シェラカップなどをかけられるようにするためのカスタムパーツです。使い方は買った方次第ですよ。(ツヨシ)
|〈Shim.Craft〉ではプロダクトのデザイン・図案を公表しているのも特徴だと思うのですが、設計図を公表しようと思ったきっかけはありますか?
作ってみたいという方がいたからです。最近知った方は販売と同時に図面を公開していると勘違いしている方もいるかもしれません。図面公開は販売よりもずっと前から行っております。作品を作る際に図面をあらかじめ描いていたので、それをわかりやすくして「役に立つのでしたら自由に作ってちょうだい」という気持ちも含めて公開しています。図面を公開することでよりたくさんの方に使ってもらえるようになります。また、思いもしなかった使い方やアレンジをする人もいて、自分も勉強になります。それぞれの使い方を知恵としてシェアしてもらえるといいですね。 (しもぞー)
|「VINOVER」は、様々なキャンプブランドの商品を売り買いすることができるサービスなのですが、注目してる好きなキャンプブランドはありますか?
〈snowpeak〉さんのものは、ユニットの考え方とかプロダクトとして気が利いているところが多いですね。しかし「なんでシェルフコンテナに蓋がないんだろう?」とか、疑問も多くて。そういうところも含めて面白いですね(笑)。「工夫をして考えなさい」と課題を与えられてるのかなって思ってます。 (しもぞー)
私も〈snowpeak〉さんからの挑戦状だと勝手に解釈しています(笑)。その他にも、メーカーとして推奨はしていない思わぬ組み合わせで便利に使えたり......。「遊び心を忘れるな」という〈snowpeak〉さんからのメッセージなのかなと勝手に判断していますね。(ツヨシ)
|今後の展望などあれば教えてください。
大きな野望や展望は持っていません(笑)。自分たちが欲しいと思うものや、アイデアがみなさんにとってもよい物だと思ってもらえるように努力はしていきたいです。「よく、どうやってアイデアを思いつくんですか?」と聞かれることも多いのですが、「キャンプ道具を見て、キャンプ道具を考えても面白くないよ」と身近な方には言っています。自分自身、スイスのタイポグラフィだったり、ブルーノートのJAZZのジャケット、ミッドセンチュリーの家具など、様々なものに影響を受けてきました。そのほかにも雑貨屋・ホームセンターだったりと身近な所に、ヒントが落ちていたりします。年内には〈fusion+〉で新しい物が発表出来るとよいですね。(しもぞー)
Profile
Shim.Craft 代表
fusion+ ディレクター
しもぞー
キャンプ・アウトドア用オリジナル・ツール、カスタムパーツの販売を行う〈Shim.Craft〉の代表を務 める。ウッドの魅力を存分に引き出したキャンプギアが人気を博している。
@shim_craft
@shimozoooooh
@fusion_eqpmnt
T-design 代表
fusion+ ディレクター
ツヨシさん
「ものづくりのまち」である東京都大田区にて活動する〈T-design〉の代表。金属の加工を得意と し、今回、しもぞーさんとともに〈fusion+〉を立ち上げる。
@visiw244