@akkhstyleさんに学ぶ、ビンテージスタイルなギアを収集するコツ

ミリタリーやスタイリッシュなど、ギアにこだわりはじめると出てくるのが“キャンプスタイル”。ギアに統一感を持たせてまとまりあるキャンプサイトにするわけですが、男女問わず人気なのが、デザインやカラーリング、素材感が現行モデルにはなく、独特な雰囲気を演出してくれる「ビンテージスタイル」です。Instagramでこのスタイルを発信している方は多くいらっしゃいますが、中でも人気なのが@akkhstyleさんことアックンさん。ビンテージスタイルを始めたきっかけなどを取材させてもらいました。参考になることばかり! ぜひ最後までご一読ください。

|まずは普段のキャンプスタイルについてお聞かせください。

主にビンテージギアを使った、夫婦に子供2人でのファミリーキャンプが多いですね。最近は長男が受験ということもあって下の子との父子キャンプをすることが多くなっています。気に入っているキャンプ場は、福島県にある「フォレストパークあだたら」。ここにはエアストリームがあって、天候が悪いときでもキャンプができますし快適に過ごせます。

|アックンさんは関東在住だと思うのですが、福島県のキャンプ場というのは珍しいですね。どのようなきっかけで行かれたのでしょうか?

妻の実家が岩手県にあって、車で向かう中継地点になるキャンプ場を探していたところ、このキャンプ場を見つけました。岩手へ直行だと8時間以上かかり、子供もいますし、何よりせっかくなので1日キャンプを楽しめたら一石二鳥じゃないですか(笑)。

|ご実家に行かれるという目的以外にもキャンプ旅もできてより楽しい休日になりそうでいいですね! まさにキャンパーという感じがします。
そんなアックンさんがキャンプにハマったのはいつごろなのでしょうか?

長男が生まれて2歳になった頃なので、ちょうど13年前ですね。キャンプをやる前から海など外遊びは好きで出かけていました。土曜に出かけて家に帰り、日曜また出かけるっていうのが面倒に思っていたんですが、ある日海に出かけた際に近くにいた方がキャンプをされているのを見まして。これなら一度家に帰る必要もないじゃん!と思ってやり始めたのがきっかけです。

| 13年前だと、今ほどギアのバリエーションもなかったと思いますが、どのように楽しまれていましたか?

当時はGWかお盆の時期に行くキャンパーさんがほとんどでしたよ。今のように冬キャンプをやる人なんてほとんどいなかったと思います。僕の場合は年中外遊びを楽しんでいたので、やりはじめてからいきなり春夏秋と冬以外は行っていました。3年目以降ぐらいですかね、装備を揃えて冬まで行きだしたのは。
当時はナチュブロで情報を仕入れていました。今よりもシュラフの値段も安くて、ナンガを買ったのを覚えています。暖を取るギアは、薪ストーブも使っていました。きっかけは、当時よく行っていた道志の森キャンプ場で出会ったキャンパーさんがテンティピのテントを使われていて、その先端から出ている煙突が素敵だなと思ったんです。冬キャンプをやり始めていた頃にはもうどっぷりはまっていて、夫婦でキャンプに行っては反省会をして、ギアを継ぎ足していくって感じでしたね(笑)。

| 今ほど情報が入ってこない中で、ネットやリアルをどちらも駆使してアクティブに情報を取りにいかれていたんですね! ここまでお聞きしてきて気になるのは、現在のキャンプスタイルに至った経緯なのですが、そこらへんもお聞かせいただけますか?

さすがにはじめからビンテージ一色だったわけではないですよ(笑)。ですが、何を買うかははじめから吟味していた方かもしれません。それこそナチュブロでみなさんがよく使っているものを調べて、コールマンとスノーピークが多いという情報を得たり。
普通は、じゃあコールマンか、となるのでしょうが、僕はキャンプ場でよく見るのと同じものは嫌だな思って他のブランドにしたいと思ったんですよね。それで最初に購入したのは、ウールリッチのドーム型テントでした。その後ビンテージ物に興味を持ち始め現在に至ります。

|はじめから他の人と被りたくない、というのがあったのですね。なぜビンテージスタイルがお好きなのでしょうか?

スナフキンさんという有名なブロガーさんがいらっしゃるのですが、その方がマルシャルのテントを使っていて、ビンテージに興味を持ちました。ビンテージものって個体数が少ないので、他の人と被ることが少ないじゃないですか。あとは現代にない、いい意味で古いデザインが単純に好みなんですよね。
はじめに購入したのは、2015年で茶色のマルシャルのテントでした。そしてそれにあうギアを揃えていったという感じです。中でもカチャカチャチェアは今でもよく使っていてお気に入りです。ブログでよく見ていたのはカーミットチェアでしたが、ファブリックが単調に思っちゃって他のブランドを探していたところ、カチャカチャチェアを見つけたという経緯ですね。サンブレラという生地で、僕としてはカーミットよりも面白いと思いました。今ではファブリックの張り替えがあったりして、また違う楽しみ方があって進化していますよね。

もちろんはじめはギアにそこまでこだわらずキャンプを楽しんでいましたよ。先ほども話した通り、他の人が使っているものをできるだけ使いたくないというのはありましたが。
でもキャンプ沼にはまっていくにつれ、キャンプでも自宅のようにインテリアを意識しはじめたんです。ソロだったらしなかったかもしれませんが、ファミリーだったのでより楽しくしたいという気持ちが強くなっていき、スタイルを意識するようになっていったのだと思います。

|ファミリーで楽しんでいたからこそスタイルを意識し出したというエピソードは素敵ですね! 他と被らないもの、と言っても探すのが大変だと思うのですが、アックンさん流の“新たなもの”を見つけるコツはあるのでしょうか?

流行りにはついていかない、というのが僕の根幹にはあって。例えば、コールマンのテーブルランプがマルシャルユーザーの定番だったんですが、コールマン以外にもあるよなって思ったんです。ビンテージ好きならテリーのランタンは有名ですが、テーブルランプはないの?って思って探してみたり。 あとは、今所有しているグレゴリーのテントもそう。ノースフェイスじゃなくてパタゴニア、グレゴリーのアパレルやバッグを学生のときに愛用していたのもあって、ノースフェイスにテントがあるなら、パタゴニアやグレゴリーにもテントはないのかな?と思って探してたどり着いた、という感じです。

|なるほど、このブランドが出しているならあのブランドも出しているんじゃないか、と疑問に思うことから始まるんですね。非常に参考になります!
ちなみに、近年ご自身でもギアを開発されていますが、それはどういった経緯で?

それでいうと、僕はイギリスやアメリカのカルチャーを敬愛していまして。触れていただいたギアの開発をしようと思ったのは、アメリカやオーストラリアでは、焚き火台を自作して使うという文化が昔からあるんですよね。
2017年当時は日本で誰も作っていなかった ので、自分で作ってみたらどうなるかと思ったんです。「frontistar」という名称を付けて、無理のない範囲で地道に製作しています。

|普段お探しになられているのはギアの購入に限ったことではないというのは多くの方にとってヒントになりそうな気がします! より広い視野で情報収集しているからこそ、他の方にはないギア情報にたどり着くのかもしれませんね。
それでは読者の方々がお待ちかねであろう、お気に入りのギアを3つご紹介いただけますか?

1つ目は、ホームストランドの2バーナーです。2バーナーはビンテージ系だとオプティマスが有名だったのですが、他のブランドを探していたところ、ホームストランドを発見しました。ゴールド、ブラウン、シルバーなどカラバリが豊富でコレクションしています。
収集していた2018年当時はビンテージバーナーの中でも注目度が低くて、価格もそれほどでした。今だったらここまで集めてなかったと思います(笑)。操作はコールマンのホワイトガソリンとほとんど変わらずなので、扱いやすいですよ。

パタゴニアにもテントがあるだろうというので調べていて見つけたのが、2つ目に紹介する創業者の名前が付けられたシュイナードというワンポールテント(アメリカ本国ではワンポールではなく、ピラミッドと言われているとのこと)です。紺と青の配色が初期型で80年代後半にリリースされたものになります。
これは2019年に購入しましたが、状態もかなりいい個体だったので今でも使用頻度が高く、満足しているテントですね。今は父子でキャンプに行っているのでシュイナードがちょうどいいサイズ感です。ポールがアルミで軽く、使い勝手もいいですよ!

最後の3つ目は、レザーのクーラーボックスです。クーラーボックスはコールマンのスチールベルトクーラーに木目調をあしらったものを愛用していたのですが、レザー製がいいなと思って探していたころ、見つけたのがJCヒギンズでした。この手のものは50年代のものなので保冷力を心配される方も多いようですが、断熱材を入れているので保冷力は問題ありません。真夏以外は2泊でも大丈夫なくらいですよ。

|ここまで、アックンさんのキャプ遍歴にはじまり、お気に入りギアまでご紹介いただきましたが、最後にビンテージギアを探されているキャンパーさんへ、アドバイスをお願いします!

ビンテージギアを探そうと思っても、なかなかいいものには出会えないような気がしています。そういう時は、自分の好きなブランドから掘ってみてはいかがでしょうか。一見ラインナップしていなさそうなブランドでも、じつは日本に入ってきていないだけ、ということもあったりします。まずはアンテナを高くして、疑問に思ったワードでインターネットを駆使して探してみてはいかがでしょうか?

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